たまにの夜2

歳を幾つか重ねたからか、昔はあった境目があやふやになってきた私たち。
私はそれでも後悔したりするときもある。
でもごまかせない、ほんとうやほんとうのようなうそはごまかせない。


目の回るような充実でいっぱいな毎日でもふとふとたまにの夜。
思い出は美化するから、醜さとか寂しさとかやるせなさ惨めさを風化させる。
最終的にはあるべき姿としてとどまるから良いんだけど、
今それになると風化させたものがよみがえった終らないすごろくを私はずっとすることになるだろうから。
瞬間が一番で、インディアンにもなりたいけどあまりにもせつな的なのは窒息死してしまうからはやくはやく。


だからたまにの夜でとどめておこう。
たまにの夜もまたよし。