なんでなんで病

気になることがあるとなぜ?と思う。
好きな人が出来るとなぜそう思ったかが気になる。
小さい時から母親になんでなんでと聞いてもいつも母は「なんでも」と答えていた気がする。
私は何故小さいころからなんでなんでと聞くのだろうか。

幼稚園の頃、私はいい子でいるのがうまかった。
物心着いた頃には既にそうなっていた。
両親に怒られるのが嫌だったからだろうか。
記憶がないので、その理由は定かではないが、そういったことから同級生の悩み事を聞くことが多かったように思う。
A子ちゃんは私にB子ちゃんの悪口を言い(幼稚園だからそういう盛りだったのだろうけど)
B子ちゃんはA子ちゃんの悪口を言う。
私はそうかそうかと聞いているのだけど、いつの間にか二人は仲なおりし、私の悪口を言う。
そうして、私は何故人間は嘘をつくのかと人間不信に陥ったことがあった。
さいころの体験で印象深かったせいか、『嘘=悪』という図式がそこで人並み以上に染みついたのかもしれない。
そうして、真実を伝えるのが友達だとか、本当はどこにあるのかを今考えれば薄っぺらな理論で説明できるものにしがみついていたのかもしれない。

なんでなんで。となんで思うか。
そこには実は満たされなかった自分がいた。
あれから30年が過ぎ、理由なんて別にどうでもいいんだなと思えるようになった。
なんでなんでの幼少期の私がようやくここまでわたしを連れてきてくれたんだなと思う。