おでん屋のおやじ

彼はアイスクリーム屋のおやじ

おでん屋のおやじはいい奴だ。
少し日本語が喋れる。

おでん屋のおやじに練り物のおでんを頼んだ。
どーやら彼らも夕食どきだったらしい。
私の頼んだおでんよりも豪勢な食事が同じテーブルに並べられていた。


おでん屋のおやじとおかみさんはそれらを食べて、私は練り物を食べる。
おやじは「だいじょーぶ、だいじょーぶ」をくりかえしながら私のお皿に彼らの夕食を沢山分けてくれた。
おいしかった。


しばらくするとおでん屋の娘さんが友達を連れて帰って来た。
おでん屋のおやじと、おかみさんと、娘と、友達と、私の五人で同じテーブルを囲んで、何故か同じ料理を食べる。
なんか変な感じで楽しかった。
しかも全員無言。でもときたま「この人は日本人だ、日本人だよ」とおやじが言っていた。
でも暖かかったし、一瞬だけれど同じ家族の仲間入りを果たした気持ちになった。


またおでん食べに行こう。