薄い空気

空気が薄いところで生活している。
というかとりあえず空気が薄い。
帰りぎわ、もっともっと薄くなって、呼吸困難に陥る。
助けてくれるのは、空想とか、思い出し笑いとか、会話とか。


今日は月が私の頭の上に浮いていた。
駐輪場のおじさんに
「満月ですかねー。」
と聞いた。
長い沈黙の後、おじさんの方を向いたら、一生懸命体をそらしていて、
「ちょっとながぼそいね。」
と答えてくれた。
私は
「明日あたりですかね。」
と答えた。
空気が少し濃くなった。


空気を濃くするのは私だけではとうてい出来そうにない。
僕を探しにのように、なかなか見つかりはしない。
きっと私のビックオーに出会っても、おんなじような結末が。


すべてのことは瞬間なので、瞬間を継続することは出来ないしなー。